リゼロ第一期アニメ解説!ネタバレなし!Re:ゼロから始める異世界生活
『Re:ゼロから始める異世界生活』通称「リゼロ」のアニメ第二期が2020年4月から放送されます。
される予定でした。新型コロナウイルスの影響で7月スタートorz
つまり、第ニ期放送までまだ時間があります!
今回は「リゼロ? なにそれ」という方に向けて、このアニメ”第一期の魅力”を解説していきます!
- リゼロ第一期アニメ解説!(ネタバレなし)
- 『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』とは?
- リゼロのあらすじと見どころ
- リゼロは音楽が良い!
- 鬼がかった演出!
- リゼロの神作画を支えるスタッフ達
- リゼロ第二期放送前に
リゼロ第一期アニメ解説!(ネタバレなし)
かくいう僕は以前、一話で切ったことがあります。
周りが「リゼロが面白い!」と言うからいざ見てみれば、キャラクターのクセが強くて物語に入っていけませんでした。
なぜそんな行動をするのか理解できず、頭の中でクエスチョンマークがついてしまいます。
しかしそれは伏線であり、この世界の事情を知らない主人公(視聴者)とキャラクター達のズレをうまく利用したものなのですが…。
PC作業中にBGMとして聞いていて「ん~?リゼロってそういう展開なの!?」となってからは、まるで強力な引力に吸い込まれるようで見終わるまでは一瞬でした。
『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』とは?
『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』は長月達平によるライトノベルを原作としたアニメ作品。
国内最大手のネット小説投稿サイト『小説家になろう』にて2012年4月より連載が始まったことに端を発します。
『MF文庫J(KADOKAWA)』にて発掘され、2014年1月から刊行。
『このライトノベルがすごい!』2017年版では文庫部門第2位。22巻の帯でシリーズ累計700万部突破の告知。
『SUGOI JAPAN Award 2017』ではアニメ部門・ラノベ部門の2部門で1位を獲得しています。(同賞で複数部門を同時に制した作品は史上初)
アニメでは第一期:全25話が2016年4月4日 - 9月19日と放送されました。
監督は京アニ出身の渡邊政治さん、アニメーションはタイムリープものの『STEINS;GATE』や、A-1 Picturesの『僕だけがいない街』などを手掛けた『WHITE FOX』が制作しています( ..)φメモメモ
ちなみに『小説家になろう』から発掘される、いわゆる「なろう系」と呼ばれる作品は「読者に徹底的にストレスをかけない」という傾向を持っています。
最強・無双・チート・ハーレム・異世界転生(召喚)・俺TUEEEEE!!など、
読んでいて、(アニメ化したものであれば)見ていて、その快進劇により気持ちよくなれるといったものです。
ストレス値が高い回で読者が離れやすいということの対策であったのに対して、現状、飽和状態になりつつあることから「なろう系」というのは蔑称の側面も持っています。
リゼロも「なろう系」出身ですが、しかしながら、その特徴ともいえる戦闘に特化したような能力を一切持っておらず、ストレス値の高い(いい意味で)物語であるのが対照的。
リゼロのあらすじと見どころ
https://www.video.unext.jp/title/SID0045327
コンビニ帰りに突如、異世界に召喚された引きこもり高校生の少年ナツキ・スバルは、早々と命の危機に見舞われる。その窮地を救ってくれた、ネコ型精霊パックをお供につれた、サテラと名乗るハーフエルフの銀髪少女に恩返しをするため、スバルは彼女の物探しに協力する。
フェルトという名の少女に奪われたという徽章の手がかりが掴めたと思った矢先、2人は暗闇の中で何者かに襲撃され命を落としてしまう。
目を覚ましたスバルは、召喚された時点に戻っていた。それから何度かの死を繰り返すうち、スバルは自分がこの世界である能力を得たことを知る。その能力は、自身の死により時間を巻き戻して記憶を引き継げる、タイムリープ能力「死に戻り」だった。
この「死に戻り」という設定が物語の鍵となっていて、リゼロの魅力に関しても大きな役割を果たしています。
平穏に過ごす日常からいきなり命の危機や死に戻りが起きた時のコントラスト、ギャップが非常に大きく、一気に物語に引き込まれます。
死に戻りの能力が発動しても記憶はそのままであるという主人公(視聴者)が未来の出来事を予測できる設定を利用して、暗殺者は意表をつくような人物であったりと衝撃が走るのです。
「危ない」と思う間もなく唐突に殺害される、キャラクター達が次々と残酷に死んでいく、終わりの見えないような強敵との闘い、息もつかせてくれません。
大切な人や己の死に対する絶望・恐怖から望まぬ結果を回避する為に試行錯誤を繰り返しますが、悲劇もまた繰り返され、リセットされてしまう苦痛を幾度となく味わうことになります。
周囲の協力を得なければ、予知能力がなければなにもできない無力で弱い人物である主人公が、この能力を駆使し試行錯誤ゆえの経験から少しずつ前へ進んでいくこと、また、絶望的な運命や過酷過ぎる困難に打ち勝つ姿を描くことで、一見オーソドックスでありがちなファンタジー世界を舞台とした冒険物語を、信頼や信念とは何か?という深みのある武骨なストーリーへ昇華させているのです。
リゼロは音楽が良い!
アニメにもこれと同じことが言えるでしょう。
むしろ大声で叫びたい「音楽に凝っていないコンテンツは大概面白くない!」👊
監督は音楽をとても重要視していて、アニメっぽくない、ドラマや映画のような音楽の作り方、サスペンス描写をかなり本格的にやりたいと意識的に制作したといいます。
劇中では様々なサウンドエフェクトが取り入れられ、リアリズムと厚みを増しつつ、エモーショナルなBGMが次々と切り替わることで、臨場感と展開のテンポの良さを感じさせます。
挿入歌は4つもあり、ここぞというタイミングで流れます。没入をさらに加速させるのです。
オープニング(OP)~エンディング(ED)曲・挿入歌とどれも秀逸ですが、強いて言うならば計8曲の半数を占める「MYTH & ROID」の先進的でミステリアスな雰囲気の曲達、歌詞がリゼロの世界観とマッチし、相乗効果を生み出しています。
監督・渡邊:打ち込みが1クール目、生楽器が2クール目みたいなイメージがあったんですけど、上がってきたらガンガン重たい曲が届いて驚きました。みんなで「アニメっぽくないね」と話をしていました。緊張感を出す意味でも大切なのは音楽かなと。まだ音楽が入っていない1話を見た現場の人が「これ、おもしろいんですか?」という反応だったのに、音楽がついたら「鳥肌たちますね」と。音楽がなかったら本当に危なかった(笑)。
音楽・末廣健一郎:縦にスタッフロールが流れる特殊EDや各回によって入り方が違うなど、とにかく視聴者にサプライズを仕掛ける音楽の使い方をしています。
1回の本編の尺をたくさんとれるように、OPとEDは削っているので、いきなり本編が始まったり、曲の終わりにもう一シーンあって終わったり。
まるで一本映画を見たような満足感や圧倒感を感じることができますが、通常のアニメで本当に珍しい使い方ですよね
オープニングテーマ(OP)
「Redo」第1クールOP。作詞はミズノゲンキ、作曲・編曲は宮崎誠、歌は鈴木このみ。
「Paradisus-Paradoxum」第2クールOP。作詞・作曲・編曲・歌はMYTH & ROID。
「Realize」 第2期OP。作詞・作曲・編曲は篠崎あやとと橘亮佑、歌は鈴木このみ。
エンディングテーマ(ED)
「STYX HELIX」第1クールED。作詞・作曲・編曲・歌はMYTH & ROID。
「Stay Alive」第2クールED。作詞・作曲・編曲はHeart's Cry、歌はエミリア(高橋李依)。
「Memento」第2期ED。作詞は榊田航、作曲・編曲は大嶋文博、歌はnonoc。
挿入歌
「STRAIGHT BET」第7話挿入歌。作詞・作曲・編曲・歌はMYTH & ROID。
「ぼうやの夢よ」第8話挿入歌。作詞はhotaru、作曲・編曲は大石昌良、歌はエミリア(高橋李依)。
「theater D」第14話挿入歌。作詞・作曲・編曲・歌はMYTH & ROID。
「Wishing」第18話挿入歌。作詞・作曲はヒゲドライバー、編曲は篠崎あやと、歌はレム(水瀬いのり)。
鬼がかった演出!
演出とは画面に意味を与え、場面のカットが変わるタイミング・音が入り始める瞬間・カメラの位置・画面内のキャラの動き等、視聴者に効率よく理解させるお仕事。
動きや流れが止まっているような単調な画面では映像としての面白みに欠きますし、そんな中で長回しのセリフを言われても退屈ですよね?
リズムよく展開していくために必要とされていることは、驚き、画面内の起承転結の展開を繰り広げることですが、それをする為には、まず相手に理解され、その上で驚かせなければなりません。
リゼロの凄さの一つに、その演出力があります☝
コミカルな会話が早いテンポで繰り広げられ、キャラクター達の動きも活発かつ独特。
前述の音楽、後述の作画も相まって退屈さを感じさせません。
ちなみにゼロ年代アニメのループものの作品には「失敗(死)を繰り返しながらループからの脱出を目指す」というゲームのような設定が取り入れられている場合が多く、いかに「リセット不可能な現実の死」を描くかということがアニメ的リアリズムの課題であるとされています。
リゼロもゲームのような設定なのですが、この演出力に支えられ、本当に苦しそうなのがこちらまで伝わってきます。
殺されるシーンでは血を流し、痛みに襲われ意識がもうろうとなり、ゆっくりと熱が奪われていく、疲弊し顔を歪め「死にたくない」と、全身の骨が折れながらも必死に逃げるという描写。死ぬことの”リアルさ”を肌で感じます。
主人公だけが追い詰められるのではなく、視聴者もまた追い詰められていく、心が悲鳴を上げる、これ以上見続けるのが辛い、もう見ていられない、しかし、どん底まで落ちた後に主人公が救われる時、同時に僕達もまた救われます。そのギャップが何よりも心地良いのです。
物語の見せ方が非常に巧く、毎話ごとに盛り上がる見せ場を配置し、次週に向けての引きを作ることで「続きが気になる」という構成になっています。
いたるところで伏線をばらまき最後に全部回収していく、伏線を伏線と気付かせない、知らずの内に張り巡らされた伏線。
例えば情景描写の一部であったり、話の一部分であったり、そういったとても気付きにくいところで伏線を交えてくるのです。
リゼロの神作画を支えるスタッフ達
監督:渡邊政治氏は「拙者五郎」という名前でも活躍する凄腕アニメーター、京都アニメーション出身のこの方は、NARUTOやシャナの暴走作画(褒め言葉)で有名です。
そんな監督のもとに集まったアニメーター達はやはり凄腕でした。
田中宏紀氏、細田直人氏、吉田徹氏などなど……そして、吉成鋼氏の参加。
作画力、また監督のコンテ力、レイアウト力に支えられ、それらが協調し、驚くほどの質感を感じさせます。
ファンタジーの世界を描いたアニメだというのに、液晶の向こう側でもうひとつの世界が立ち上がるのです。
リゼロ第二期放送前に
https://www.video.unext.jp/title/SID0045327
この記事では触れることが出来きませんでした。
一つとして被るキャラがいない個性に富んだキャラクター達。
そのキャラクター達に命を吹き込む豪華声優陣。
優秀な制作スタッフの息がかかったアニメ・リゼロは演出・作画・音楽と、
非常に高い熱量で手が込まれた、総合力の高い作品だと思います。
「どうせアニメでしょ…つまらないでしょ…」と思っている人にこそぜひ見てみて欲しいアニメです!
『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』第一期新編集版PV youtu.be
TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season PV youtu.be
平素より『Re:ゼロから始める異世界生活』に多大なるご声援を賜り、誠にありがとうございます。
2020年4月より放送開始を予定しておりました『Re:ゼロから始める異世界生活』第2期につきまして、世界的な問題となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、制作スケジュールに大きな影響が出ていることから、やむを得ず放送開始を延期させていただくことになりました。
現状では7月からの放送を予定しておりますので、放送日時の詳細が決まりましたら、公式サイトおよび公式Twitter(@Rezero_official)にて改めてお知らせをいたします。
作品を楽しみにしてくださっているファンの皆様には、ご心配とご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
この記事はnkが書きました。