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映画感想ターミネーター:ニュー・フェイトの良かった点と悪かった点

今回、取り上げる映画は話題の超大作「ターミネーター:ニュー・フェイト」 私は子供の頃からターミネーターが大好きで、シリーズ新作が出るたびついつい映画館にいってしまう。そんな私が、この新作を映画館で観た後にどう思うのか?
この映画が正統続編と言われる理由と良かった点・悪かった点を書いていきます。

映画館へ行く前の知識と気概

まず私の感想では、この映画は「良かった」

2ほどではないけど、 3とジェニシスより、

そして4と同程度の 「良かった」「サイコー!もう一回みたいね!今度は家族と!」 というほどではないけど

「うーん、なんか満足。映画館で観てよかったなぁ」 くらいの「良かった」です。

伝わってますかね・・

詳しい感想内容の、その前にターミネーターの予備知識から。(ややこしいので)  

ターミネーターは、1・2を巨匠ジェームズ・キャメロンが監督して一躍その名を映画史にとどろかせた。

当然、主演のリンダ・ハミルトンアーノルド・シュワルツェネッガーも大スターになった。 (もう1人の主役マイケル・ビーンは・・元気かな?)

ところが、問題はそのあとである。

3・4・新起動/ジェニシスとシリーズが続くが、ナンバリングに反して全てパラレルワールドである。

正確にはそれぞれが「1・2の正統続編」とし、それ以外は黒歴史としている。

しかも内容・評価・興行収入はどれも芳しくない。

今回の「ニュー・フェイト」も「1・2の正統続編!それ以外はかんけーないよ!」というスタンスだ。

しかし、一方で ターミネーターは2以来観てないなぁ。内容わからないなぁ。いやだなぁ、怖いなぁ・・」 と思う必要がないといういい面もある。

ぜひ周りの人をそうやって説得しよう!

ただし、今作が「正統続編」というのには大義名分(?)がある。

1・2を作ったジェームズ・キャメロンが製作(スポンサー集めやアイディア出しとか撮影現場にもいく偉い役職)、主演2人リンダ・ハミルトンシュワルツェネッガーがそろってカムバックしているのだ!

すでに期待大!! さらに予告編でフォー!!! いく前から楽しみだ!   

 ↓から過去作見れます!個人的にはフジテレビの吹き替えが好きなんだけど・・入れてくれないかなぁ・・

良いと思った点

サラ・コナーのイメージ

と、いうわけで観たけど、観る前以上のテンションにはならず、

それゆえ「良かった」という感想だ。

でも、でも、私の中ではこの映画は確かに正統続編といえる。

以下に「良かった」と思った理由を見てみよう。

サラ・コナーことリンダ・ハミルトン

まず久しぶりの登場の「サラ・コナー」の存在だ。

私は今までターミネーターってシュワちゃんだよな」って思っていたけど、

彼が出ていた3・4(CGだけ)・新起動/ジェニシスは、なんか違っていた。

「らしさ」はあるけどイマイチ違うのだ。

ニュー・フェイトを観た今ならいえる。

足りないのは「サラ・コナー」だったのだ。

序盤メキシコのハイウェイで新型ターミネーターREV-9との戦闘で彼女は登場する。 4WDのジープから颯爽と下りて、ショットガンをぶっぱなし!無反動砲をぶっぱなす!

最後に手りゅう弾をポイっと捨てて 「すぐ戻るわ(I'll be back.)」 の、決めセリフときたもんだ、こりゃ!

というわけで大事なのはサラ・コナーだったんだね。

一応ターミネーターはSFホラーであるので(少なくとも昔はそうだった)

「キャーキャー叫ぶ若い女の子」という存在が常に必要とされていたけど、

サラ・コナーはそんじょそこらの女の子とは違う。

成長するのだ。

作中はもちろん、シリーズを通してまでも!

1では無力な女の子、2では強いお母さん、ニュー・フェイトでは危うさを含んだ強いお婆ちゃんになっている。

これは凄いことだ。 演技力だけではなく、リンダ・ハミルトンはその人生を通してサラ・コナーを演じているので説得力も全然違う。

ちなみに彼女はシリーズ生みの親ジェームズ・キャメロンと結婚して子供も作って離婚している。 ターミネーターから離れていたのはそういうこともあるかもしれない。

歳を重ねて挫折もあったろうし、(どこかで)折り合いを付けてカムバックしたのだろう。  

お帰り!サラ・コナー ↓から過去作が観れるよ!若いころも「2」も今作もサラ△

出てくる女の子が強い

ターミネーターに女の子は必要不可欠だ。

出てくる女の子は、最初は弱くても強くなって最後はターミネーターに勝つのだ。

ジェームズ・キャメロンはそういう女性ヒーローの書き方がとてもうまい。

監督は変わったけどニュー・フェイトもそのDNAを受け継いでいる。

今回「守られる立場」「キャーキャー叫ぶ若い女の子役」の主人公ダニーもやっぱり映画中で強くなっていく。

いろいろ政治的問題があるメキシコの自動車工場で働いているが、芯の強さが現れている。(車体研磨ロボットに職を奪われた弟のために工場長に殴りこみにいくのだ!)

演じるはナタリア・レイエス

超大作に出るのは初めてらしいが堂々としていてこれまた良い。

そして、私が一番気に入ったのはマッケンジー・デイヴィス演じるグレースだ。

すらりと背が高く、ショートカットで、タンクトップで、スレッジハンマー・鉄棒や鎖をブンブン振り回して戦う。

前に観た「オデッセイ」では理系地味子ブレードランナー2049」ではレプリカントの娼婦となかなか幅広く活躍している女の子だ。今回は強化された未来兵士の役どころで、体を美しく鍛え上げている。(短髪・タンクトップは筋肉を見せるためだ)

一作目に出ていたカイル・リースがターミネーターを恐怖の目で見ていたのに対して、グレースの目つきは鋭い。

逃げている途中で 「未来ではREV-9を見たら逃げるのよ」 という。 その割にはバンバン攻撃を仕掛けていく。

ここは「負けっぱなしはごめんだ!」という現代の強い女性を良く表していると思う。

3に出てきた女ターミネーター(T-X)が色仕掛けを使っていたが、グレースはそんなことはしない。 彼女は十分強いし、そういうのってなんか違う気がする。(カイルもジョンもT-800だって、カッコよさを武器に使ってないしね)

私は予告編で彼女を見てから大分まいっちゃって、劇場でも見惚れていた。

会ったらヘッドロックしてほしいです。

不満点

フリー素材で作ったターミネーター。かわいくなった。REV-9もそんな感じ

良かった点も多かったけど、マイナス点もある。

比較対象がターミネーター1・2になってしまうのは酷かもしれない。 でもそこは「正統続編」なのでそこは仕方ないね。

ターミネーターの存在感の無さ

今回は出てくるターミネーターREV-9T-800だ。

前述した通り今作は女性陣が強い。

しかし強すぎて、あろうことかターミネーターの強さが薄れているのだ。

主人公ダニーはあることを機にREV-9に復讐心を持つ(恐れない)、

グレースは強化人間なのでそもそも強いし、

サラ・コナーに至っては「先週2体ターミネーター、ブッ壊しました(てへぺろ)」って感じです。

みんなつよくなぁー↑い!?

敵であるREV-9もしつこく追ってくるけど、女の子3人にすぐ撃退される。(ちなみに彼の能力はT-1000+T-800+ネットヲタといった程度)

ちょっと応援したくなるくらいだ。

ところどころでニッコリ笑ったり、ジョーク(下ネタ含む)を飛ばすというターミネーターらしからぬ芸を見せるのも、応援ポイントだ。

REV-9の最大の能力は骨部分(アノむき出し骸骨ターミネーター)と外側(柔らかい液体金属部分)に分かれることだ。

予告編でも出てくるが、この分身攻撃が弱い。

一回分かれて、代わる代わるみんなに殴られて「やっぱまずい」ってことで一体に戻ったりする。(がんばれ!)

というわけで新しいターミネーターなんだか愛らしいけど存在感もパワーも弱い。  

次におなじみのT-800 ネタバレを避けるため詳しくいえないけど、なんやかんやあってだいぶ人間らしくなりました。

加えて外見(正確には金属骨格を覆っている生きた表面)が老けてほとんど素のアーノルド・シュワルツェネッガー

この「なんやかんやあって」が私にはご都合主義に思えてしまって不満点となってしまった。

ちなみに、この他にもご都合主義的なものがある。ここは賛否の分かれ目だろう。   T-800はサラ・コナーと対極的存在なので、必要不可欠なキャラクターではあるのだけど、存在意義が薄い。

逆にいえば主人公3人がとても強い存在感があるといえる。   T-800のシーンでグッドポイントは中盤。

おなじみのアイテムを・・・ あーいえない!いえないわー! つーわけで気になる方は見てほしいです。

シルバーマン先生

細かいとこだけど、1・2と出てたシルバーマン先生。

ファンなら気になるサブキャラです。

カイル・リースとサラの担当医。 彼女は確かにほっとくと危ないかもしれないからね。

変な味があり、何気に3や他のシリーズにも出てます。

ペンで膝を刺されたり(サラがやった)、

215本ある人体の骨のうちの一本を折られたり(サラがやった)、

パイプユニッシュみたいなのを注射されそうになったり(サラがやった)

びっくりどっきりメカとエキセントリック人間満載の間にいながら、よくもまぁ死なずにいたもんだ。

しかし今回は出ていません。 残念!

昔のシルバーマン先生が観たい方は過去作へどうぞ。そんな人いないかもしれんが・・

残念ながら興行収入は100億円の赤字

これは厳密には不満点というより心配点。 続編があるか?という懸念だ。

日本では、この映画はヒットしているが、

実はアメリカでは「コケた」と認識されている。しかも大コケだ。

「成功した」といえる興行収入額は100億円でありながら、ターミネーター:ニュー・フェイトは興行収入-100億円。

つまり赤字100億円。

もちろん、これは実際の作品のクオリティを示してない。 他が強かったのだ。

「ジョーカー」やら「IT/イット THE END 」やらが同時期にあったからだろう(今は機械よりピエロの方が勢いがあるのだ)

加えて、やはり「ターミネーター」というブランドにも問題があったのだろう。

過去作は芳しくなかったし、ジェームズ・キャメロンはプロデューサーを務めはしたが監督はしなかった点も大きい。

私が気にしているのは、この作品は三部作構想であることだ。

つまり第一部となるニュー・フェイトが当たらないとその構想はなくなり、また黒歴史扱いになるのだ。 そんなのもったいない!

せっかくキャストもジェームズ・キャメロンも再集結したのだから、ぜひとも次回が観てみたいと思うのは私だけだろうか?  

ディズニーさん! なんとか長い目で見て、ターミネーターブランドを復活させてください。お願い! 20世紀フォックスはディズニーに買収されたので、ターミネーターはディズニーのものなのだ。

まとめ

総合評価は「良い」

良かった点

  • カムバックしたキャスト達。特にリンダ・ハミルトンは必見
  • 強い女性が主人公という今の時代を反映した内容
  • グレースのかっこよさ

悪かった点

  • 存在感が薄いターミネーター
  • 気になるご都合主義
  • シルバーマン先生がいないこと
  • 奇跡的なキャストが集まったのに興行収入は良くない
  • そのため三部作構想がポシャるのが心配

この記事を読んで「ターミネーター:ニュー・フェイト」が観たくなったら、↓でみてねー

 

この記事は満足猫が書きました。