本当に面白い海外ドラマ『ウォーキング・デッド』
近年、アメリカではケーブルチャンネルやストリーミングサービスが続々と良質のドラマシリーズを製作しています。
そんな”ドラマの黄金時代”の中でも特に日本で人気のあるのが『ウォーキング・デッド』。
観れば観るほど面白さが増し、徹夜してしまうほど中毒性が高いです。(ゾンビ好きじゃない人も楽しめます)
『ウォーキング・デッド』本当に面白い海外ドラマ
『ウォーキング・デッド』は、ゾンビによる世界の終末を迎えた後の物語である。
荒廃したアメリカ合衆国で安住の地を求めてゾンビの集団から逃れつつ旅をする少人数のグループを描く。
ゾンビの群れ、事故、そして生存者による略奪など、敵意に満ちた世界で日々直面する試練にもめげず、グループが人間性を保とうと奮闘するジレンマが主に描かれる。
現代社会の安全が破壊され秩序を失った世界で、生存者達は確固たる人間性を保てるのか?
そして生きるための「愛、強さ、責任感、自制心」とは?
人間たちが時にぶつかりあいながらも生き抜く術を模索していく革新的ドラマ。
極限に追い込まれた人間の心理を描いている。
『ウォーキング・デッド』の見どころ
ゾンビものと聞くと真っ先に想像するのは『バイオハザード』ではないでしょうか?
しかし『ウォーキング・デッド』は同じゾンビものでも全く異なる趣向となっています。
前者はゾンビが発生した原因を追求したり、企業などの大きな勢力との戦いを描いていて、
超能力・クローン・化物など、SFの要素が強くあります。
一方、『ウォーキング・デッド』は一般市民目線。
ゾンビ化する原因は不明、ゾンビ化を直す薬などはありません。
世界を救おうなどと思うまでもなく、その日その日を生きる伸びることで精一杯。
ただ生きるだけでも沢山のトラブルや危機に遭います。
逃げて戦い逃げて戦いといった生存の為のサバイバルを繰り返し、
生き残った人間達はそれぞれにコミュニティを形成していきます。
ゾンビが発生することで世界が破滅に追いやられるという、ディストピア的な映画は数え切れないほど作られてきました。
いわば出尽くされた題材なわけですが、そんな中で本作が成功したのは、
「ゾンビがいる世界の日常はどういうものなのか?」をリアルに描いた点があげられるでしょう。
ディストピアものでは統治という問題があぶりだされます。
人間が集まればそのコミュニティの安全を守る為に指揮をとるリーダーが必然と出てきます。
世界が終わった秩序のない世界なので、盗みや殺しなどなんでもありの無法地帯。
たとえ仲間であったとしても、場合によっては殺さないと生きていけない、
「信じたいけれど裏切られたら、自分や大切な家族・仲間まで死んでしまう」という葛藤。
最初こそ多くのゾンビ映画と同様、ゾンビがはびこる世界でのサバイバルがメインですが、徐々に人間同士の対立が描かれるようになっていきます。
敵味方を問わず、むしろゾンビよりも人間の方が脅威なのです。
がんじがらめな選択肢のなかで、常に選択を迫られます。
何が正しくて、何が正しくないのか、悩んで悩んで旅をしていく、
そんな姿を見てるとキャラへの感情移入が半端じゃなく、
ストーリー上で起こる様々な場面において「自分がその立場だったらどうしよう?」と
勝手に考えさせられる点も、ハマる一つの要因かもしれません。
『ウォーキング・デッド』のファン達の多くは、ゾンビそのものが好きというよりも、
その丁寧に描かれた、ゾンビが溢れかえった終末世界で人間がどう生きていくのか?
どんな問題が起きて、それをどう乗り越えていくのか? という点に引き込まれているのです。
そしてアメリカドラマ特有のいつ誰が死ぬかわからない展開。
日本のドラマではキャラクターがメインになりがちです。
(たとえば『相棒』の杉下右京、『ドクターX』の大門未知子など)
『ウォーキング・デッド』は世界を主軸に物語を描いています。
「こいつは死なないだろうな」っていうキャラはどんなドラマにもいると思いますが、
そんな主要キャラもガンガンに死んでいきます。
シーズンにもよりますが、食料が豊富でシャワーも浴びられるような恵まれた街に遭遇。
久々の安堵感や至福感を味わいます。見てるこっちもホッと一息。
この極限状態と至福なひとときを繰り返したりするわけですが、
ずっと極限状態だと観ている僕達も息がつまってきてしまいます。
その切り替えが上手く、観ているこちらを飽きさせない施策がたくさん詰まっているので、やはり見ていて飽きません。
『ウォーキング・デッド』の強力な制作陣
『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『ミスト』のフランク・ダラボン監督が企画。
『ターミネーター』など数々のヒット作を手がけるゲイル・アン・ハードが制作。
ゾンビメイクの第一人者グレッグ・ニコテロの技術で作られたえげつないほどリアルなゾンビ達。
製作されたのがケーブルチャンネルということもあって、本作では映画以上の残酷かつグロテスクな描写に容赦がなく、
強力な製作陣による劇的なストーリーとハイレベルな映像クオリティーに仕上がっています。
2011年から2年連続でエミー賞メイクアップ賞を受賞。
音響効果賞、視覚効果賞ノミネートなど、もはや疑う余地のない圧倒的なレベルの高さ、
描かれるゾンビ達とその大群を迎え撃つ生存者達とのサバイバル劇は『ウォーキング・デッド』の代名詞です。
本当に面白い海外ドラマ
放送開始以来、アメリカで異例の高視聴率を獲得し続ける本作。
いわば、パニックサイコホラーゾンビアクション、サスペンスミステリーヒューマンドラマといった感じで様々な要素がてんこ盛りです。
現在シーズン10が放送中ですが、シーズン1からかなり面白いので、飽きずにずっと楽しめる作品。
まだ見てなくて少しでも見たいと思ったら、今さらと言わずぜひ見てみてほしいですし、
数ある海外ドラマの中でも本当に面白い作品だと思います。
この記事はnkが書きました。